2024年11月に「フリーランス新法」が施行されたのをご存じでしょうか?この法律は、フリーランスが直面してきたトラブルを未然に防ぎ、フリーランスと企業が公平な立場で取引ができるように制定されました。
そこで本記事では、フリーランス新法の基本から具体的な要点までをわかりやすく解説し、フリーランスが安心して働くためのポイントを紹介します。
この記事を通して、フリーランス新法の全体像を把握し、法律を活用しながら事業を発展させていただけましたら幸いです。
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フリーランス新法とは?
「フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」は、フリーランスとして働く人が安心して仕事を受けられるように、取引のルールを明確にし、不当な扱いを防ぐための法律です。
2024年11月に施行され、フリーランスと発注者の取引関係をより公平なものにすることを目的としています。
会社員とは違い、フリーランスは「労働基準法」の保護を受けられないため、報酬の未払い、急な契約解除、不当な取引条件など、多くのトラブルに直面してきました。特に、契約内容があいまいなまま進められる仕事や、一方的な条件変更に泣き寝入りするケースが問題視されていました。
こうした状況を改善し、フリーランスが適切な待遇で働ける環境を整えるために、この法律が生まれました。
押さえておきたい!フリーランス新法の要点10選
フリーランス新法で押さえておきたい要点は以下のとおりです。
- 要点1:契約内容を紙や電子データで明確に提示する義務
- 要点2:報酬は仕事が終わったら速やかに支払うルール
- 要点3:不当な報酬の減額や支払い拒否が禁止
- 要点4:仕事のキャンセルは事前に通知が必要
- 要点5:募集情報は正確に表示する義務
- 要点6:ハラスメント行為の禁止
- 要点7:育児や介護への配慮義務
- 要点8:トラブル解決のための相談窓口が設置
- 要点9:法律に違反すると罰則が科される
- 要点10:フリーランスと企業の関係を適正化する目的
要点1:契約内容を紙や電子データで明確に提示する義務
フリーランス新法では、仕事の契約内容を紙や電子データで明確に提示することが義務化されました。
具体的には、発注者はフリーランスに対して、契約時に仕事内容、報酬金額、支払期限、納期などを文書または電子メールなどのデータで提示する必要があります。この明示義務により、双方が契約内容をしっかり確認でき、取引条件のあいまいさによるトラブルを予防できるでしょう。
要点2:報酬は仕事が終わったら速やかに支払うルール
フリーランス新法では、仕事が完了した際、報酬を速やかに支払うことが義務付けられました。
従来、フリーランスは、「納品したのに報酬が支払われない」「いつ支払われるのか不明で困る」といった不透明な状況に置かれることが多くありました。この法律では支払期限を明確にし、契約時にそれを文書や電子データで取り決めることが義務化されています。
要点3:不当な報酬の減額や支払い拒否が禁止
フリーランス新法では、発注者が報酬の減額や支払いを拒否する行為が厳しく禁止されています。
これまでフリーランスの報酬トラブルで多く見られたのが、「理由なく報酬を減額された」「納品したにもかかわらず支払いを拒否された」というケースです。こうした行為は、新法のもとでは法律違反とされ、違反者には行政指導や罰則が科される可能性があります。
要点4:仕事のキャンセルは事前に通知が必要
フリーランス新法では、発注者が契約解除をする場合に事前に通知し、その理由を明示することが義務付けられています。
発注者が契約を解除する場合、キャンセルを通知するタイミングや内容が明確に定められているので、突然の連絡でフリーランスが困惑する事態を防ぎます。場合によっては、キャンセルによる損が発生した際に補償を求められることもあります。
要点5:募集情報は正確に表示する義務
フリーランス新法では、発注者が仕事の募集を行う際、その情報を正確に表示することが義務付けられています。
具体的には、以下のような内容を正確に示す必要があります。
- 仕事内容:何をどのように進めるのか、具体的に記載する。
- 報酬額や支払い条件:報酬の金額、支払い方法、期限を明確にする。
- 納期や作業期間:作業開始から終了までのスケジュールを正確に伝える。
- 必要なスキルや条件:応募に必要な資格やスキルを適切に示す。
たとえば、募集内容に「高報酬」と記載しておきながら、実際には詳細を曖昧にしたり、支払い条件を後出しで変更したりする行為は違反とされます。これにより、フリーランスは募集情報を正確に把握し、自分に合った案件かどうかを判断しやすくなります。
要点6:ハラスメント行為の禁止
フリーランス新法では、発注者がフリーランスに対してハラスメント行為を行うことが明確に禁止されています。この規定は、フリーランスが安定して仕事を進められる環境を整えるために設けられました。
フリーランスが理不尽な扱いを受けた場合、発注者に改善を求めたり、行政の相談窓口に助けを求めることができるようになります。一方で、発注者もハラスメント防止のための対応策を講じることが求められます。
なお、具体的なハラスメント行為については別記事で紹介されていますので、参考にしてくださいね。
要点7:育児や介護への配慮義務
フリーランス新法では、発注者がフリーランスの育児や介護などの事情に配慮する義務が定められました。この規定は、個人のライフスタイルや家庭環境に応じた柔軟な働き方を可能にすることで、フリーランスが無理なく仕事を続けられるようにすることを目的としています。
これまでは、納期や作業時間に柔軟性がなく、育児や介護と仕事を両立することが困難なケースが多く見られました。フリーランス新法では、こうした状況を改善するため、発注者に対して以下のような配慮を求めています。
- 柔軟な納期の設定:育児や介護の事情に応じたスケジュールの調整。
- 作業時間の相談:夜間や週末の作業を避けられるような工夫。
- リモートワークの推奨:通勤が不要な働き方を選択可能にする。
たとえば、小さな子どもを育てながら働くフリーランスが「保育園のお迎え時間に間に合わせたい」と相談した場合、発注者は納期を調整したり、時間帯に制約のないタスクを提案することが求められます。同様に、親の介護をしながら働く場合には、急な対応が必要になる可能性を考慮し、連絡のタイミングやタスクの進め方に柔軟性を持たせることが重要です。
育児や介護と仕事を両立したいフリーランスは、契約時に自分の事情を正直に伝え、必要な配慮をお願いすることが大切です。この配慮義務を活用することで、安心して働き続けることができる環境が整います。
要点8:トラブル解決のための相談窓口が設置
フリーランス新法では、取引に関するトラブルに対応するため、相談窓口の設置が定められています。この窓口では、フリーランスが発注者との間で不当な扱いやトラブルに直面した際、適切な助言や支援を受けられます。
具体的に相談できる内容は以下のとおりです。
- 報酬に関するトラブル:未払い、減額、支払い遅延など。
- 契約内容に関する問題:条件が守られていない、契約が一方的に解除された。
- ハラスメント被害:威圧的な態度や不当な要求。
相談窓口では、フリーランスが状況を説明することで、行政から発注者への指導や助言が行われることがあります。特に重大な違反が確認された場合には、罰則の適用や公表の可能性もあるため、発注者にとってもトラブルを未然に防ぐ動機となります。
フリーランスとしては、トラブルが発生した際、契約内容ややり取りの記録をしっかり残しておくことが重要です。この記録をもとに、相談窓口で適切な対応を求めることができます。
要点9:法律に違反すると罰則が科される
フリーランス新法では、発注者が法律に違反した場合、罰則が科されることが定められています。
違反行為には以下のような例が挙げられます。
- 報酬の未払いや不当な減額:正当な理由なく報酬を支払わない、契約額を勝手に下げる行為。
- 契約内容の明示義務違反:仕事内容や報酬条件を明確に示さず、あいまいな状態で契約する。
- ハラスメント行為:威圧的な態度や不当な要求を行う。
- 突然の契約解除:正当な理由や事前通知なしに契約を打ち切る。
発注者の法律違反が発覚した場合は、助言や指導、勧告や命令、公表、罰則の適用がされます。しかるべき対応に進むためにはそれを示す証拠が必要となるので、フリーランスは、契約内容や取引のやり取りを記録しておくことが重要です。
要点10:フリーランスと企業の関係を適正化する目的
フリーランス新法は、フリーランスと企業の関係を適正化し、公平で透明性のある取引環境を整えることを目的としています。
これまでフリーランスは、個人事業主という立場から、労働基準法や下請法の保護が十分に及ばない場合が多く、報酬の未払い、不当な契約解除、ハラスメントなどのトラブルが頻発していました。この新法では、こうした課題を解消し、フリーランスが安心して仕事に取り組める環境を作ることが目指されています。
フリーランスが注意すべきポイント
フリーランス新法が施行されたことで、フリーランスが安心して仕事ができる環境が整いました。しかし、法律を正しく活用し、トラブルを未然に防ぐためには、フリーランス自身も注意すべきポイントを押さえておくことが大切です。
フリーランスが仕事を受ける際に注意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- ポイント1:契約内容を必ず確認する
- ポイント2:やり取りの記録を残す
- ポイント3:不当な要求には毅然と対応する
- ポイント4:報酬の支払い条件を確認する
- ポイント5:契約解除の条件を確認する
- ポイント6:法律やルールを理解しておく
- ポイント7:自分の事情を発注者に伝える
ポイント1:契約内容を必ず確認する
契約内容は、口頭だけでなく、書面やメールなどの形で明確に残しましょう。仕事内容、報酬、納期、支払い条件などがきちんと記載されているかを確認し、不明点があれば契約前に質問することが重要です。
ポイント2:やり取りの記録を残す
仕事に関するやり取りは、後でトラブルになった際の証拠となります。メールやチャットの履歴、契約書、請求書など、重要なやり取りはデータとして保存しておきましょう。
ポイント3:不当な要求には毅然と対応する
発注者から不当な要求やハラスメントを受けた場合、泣き寝入りせず、速やかに相談窓口や行政に助けを求めることが必要です。問題に気付いた時点で適切に対処することで、大きなトラブルを防ぐことができます。
ポイント4:報酬の支払い条件を確認する
報酬の金額や支払い時期が曖昧なまま契約を進めるのは避けましょう。「納品後○日以内に支払う」など、具体的な期限が明記されているかをチェックしてください。
ポイント5:契約解除の条件を確認する
契約解除が必要になる場合に備え、どのような条件で契約を解除できるか、また解除時に補償があるかを事前に確認しておくことが重要です。
ポイント6:法律やルールを理解しておく
フリーランス新法の内容を正しく理解し、自分の権利や発注者の義務を把握しておくことで、不当な扱いを受けるリスクを減らすことができます。
ポイント7:自分の事情を発注者に伝える
育児や介護などの事情がある場合は、事前に発注者に伝え、納期や作業条件について相談することで、無理のない働き方を実現できます。
まとめ:法律の要点を理解して事業を発展させよう!
本記事では、フリーランス新法の基本から具体的な要点までをわかりやすく解説し、フリーランスが安心して働くためのポイントを紹介しました。
最後に、フリーランス新法の要点をおさらいしましょう!
- 要点1:契約内容を紙や電子データで明確に提示する義務
- 要点2:報酬は仕事が終わったら速やかに支払うルール
- 要点3:不当な報酬の減額や支払い拒否が禁止
- 要点4:仕事のキャンセルは事前に通知が必要
- 要点5:募集情報は正確に表示する義務
- 要点6:ハラスメント行為の禁止
- 要点7:育児や介護への配慮義務
- 要点8:トラブル解決のための相談窓口が設置
- 要点9:法律に違反すると罰則が科される
- 要点10:フリーランスと企業の関係を適正化する目的
フリーランス新法では、これまでフリーランスが経験してきた「契約内容があいまいでトラブルになった」「契約条件が違っていた」などのトラブルの予防策として活用できます。この法律内容を理解して、安心して取引をして事業を発展させていきましょう!
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