2024年9月の自民党総裁選に際して、候補者の石破氏による発言をきっかけに「金融所得課税」という言葉が注目されました。しかし、金融所得課税がどのようなものなのか、サイドFIRE達成にどのような影響を与えるのか、疑問を覚えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、金融所得課税の基本的な仕組みや、対象となる所得の種類、さらに石破茂氏が金融所得課税の強化を発言した背景をわかりやすく解説します。
この記事を通して、今後の投資戦略を再考するきっかけになりましたら幸いです。
- 金融所得課税という言葉をはじめて聞いた
- 金融所得課税が強化された場合の対策を考えたい
- サイドFIREを目指していて金融所得課税が気になった
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金融所得課税とは?
金融所得課税は、投資や金融資産から得られる所得に対して課される税金です。
資産形成のひとつとして株式、債券、投資信託などの金融商品から得られる利益(配当金)といった金融所得に対して税金、つまり金融所得課税が必要となります。2024年10月時点では、一律で所得税15%と住民税5%の合計20%が課税される仕組みとなっています。
金融所得課税について話題が上がったのは、2024年9月27日に実施された「自民党総裁選」が大きく影響しています。このとき、総裁候補者の石破茂氏(以下、石破氏という)が、「金融所得課税を強化する」と発言したことにあります。この発言は自民党内でも反発を受け、翌日には撤回されましたが、石破氏が総裁となった今、金融所得課税が増税される可能性がゼロではなくなっていると言える状況です。
金融所得の種類とは?
金融所得の種類は以下のとおりです。
- 種類1:株式の配当金
- 種類2:預金の利子
- 種類3:投資信託の分配金
- 種類4:株式や投資信託の売却益
- 種類5:海外で得た金融所得
- 種類6:非住居者の扱い
種類1:株式の配当金
株式を持っていると、企業の利益の一部を「配当金」として受け取ることがあります。これは、企業が株主に利益を還元するためのものです。
たとえば、ある企業の株を100株持っていて、その企業が1株あたり100円の配当金を出す場合、あなたは10,000円の配当金を受け取ることができます。この配当金が金融所得にあたります。
種類2:預金の利子
銀行にお金を預けていると、そのお金を使って銀行が運用し、その結果として「利子」を受け取ります。たとえば、10万円を銀行に預けた場合、年利0.1%だと1年間で100円の利子がつきます。この利子も金融所得として扱われます。
種類3:投資信託の分配金
投資信託は、多くの人から集めたお金をプロの運用者が株や債券などに投資し、その運用益を分配する仕組みです。投資信託から定期的に「分配金」という形で利益が受け取れることがあります。たとえば、毎月5,000円の分配金を受け取る投資信託があると、その5,000円が金融所得になります。
種類4:株式や投資信託の売却益
売却益は、株式や投資信託を打ったときに、買った時の値段よりも高く売れた場合に出る利益のことです。たとえば、投資信託を100万円で購入し、数年後に投資信託が120万円になったタイミングで売却すると、売却益20万円が金融所得となります。
種類5:海外で得た金融所得
日本に住んでいる人は、海外で得た金融所得も日本で課税されます。たとえば、アメリカの株式を買って配当金を受け取った場合や、海外の銀行に預けたお金の利子がついた場合、それも日本の金融所得課税の対象です。
種類6:非住居者の扱い
日本に住んでいない人(非居住者)の場合、基本的に日本国内で得た金融所得だけが課税対象になります。たとえば、日本企業の株を持っていて配当金を受け取る場合です。
石破茂氏が金融所得課税の強化を発言した背景
石破茂氏が金融所得課税の強化について発言をする背景には、いくつかの重要な理由があります。
具体的には以下の3点が推測されます。
- 背景1:経済格差の是正を目指すため
- 背景2:財政の健全化を図るため
- 背景3:社会的公平を考慮するため
背景1:経済格差の是正を目指すため
まずは、経済格差を是正するためです。近年、日本では、資産を多く持っている人と、そうでない人の格差が拡大していると言われています。
株式や投資信託などの金融所得は、主に資産を多く持つ人々が得やすい所得です。石破氏は、こうした所得に対する税負担を増やすことで、富裕層により多くの税金を負担してもらい、社会全体の公平さを保ちたいと考えています。これにより、所得の再分配を促進し、経済的な格差を少しでも緩和することが狙いです。
背景2:財政の健全化を図るため
次に、日本の財政を健全化するためです。日本が高齢化社会に突入し、社会保障費の増加などが理由で財政が厳しくなり、必要な財源を賄おうとしています。
そのための手段のひとつが金融所得課税の強化とされています。ターゲットとされているのが、資産1億円以上の富裕層とされています。しかし、後述の「社会的公平」を考慮すると、資産総額のハードルが下がる可能性も考えられるのではないかと、個人的には考えています。
背景3:社会的公平を考慮するため
石破氏が重要視していることのひとつとして、社会的な公平性も挙げられています。現在の金融所得課税では、収入(所得)が考慮されていないため、一律20%の税率が均等な負担とはいいがたい側面があります。
収入に合わせて社会全体の負担が公平になるような税制を目指しているので、この理屈に理解できる点はあります。2024年10月時点では発言が撤回されているとはいえ、石破氏の考えに「金融所得課税の強化」が挙げられている以上、将来的には強化が図られる可能性自体はゼロとは言えないでしょう。
サイドFIRE達成に向けた資産運用で対策しておきたいこと
石破氏はまだ首相に就任したばかり、しかも2024年10月末には衆議院議員選挙が控えているため、金融所得課税が強化されるか不透明です。しかし、その可能性がゼロではないため、今のうちに資産形成について見直しが重要と言えるのではないでしょうか。
サイドFIRE達成に向けた資産運用で対策しておきたいことは以下のとおりです。
対策1:資産運用計画の見直し
まずは、資産運用計画の見直しです。
石破氏は、金融所得課税を強化すると発言していますが、その対象となるのは「多額の金融資産を保有している人」「富裕層/高所得者層」「資産運用で大きな利益を得ている人」です。NISAやiDeCoの上限以上に投資をしている人、投資をしている可能性が考えられる人なので、限定的と言えそうです。
そのため、堅実な資産運用を好む場合は、年間投資金額とサイドFIREに向けた目標金額をNISAやiDeCoの上限までにとどめておくのが無難であると言えるのではないでしょうか。
ただし、金融所得課税の対象者が拡大する可能性もゼロではないので、定期的に情報収集して、すぐに対策できる仕組み・習慣を作っておきたいものです。
対策2:NISAとiDeCoのの活用
金融所得課税の対象とはならない、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用して資産運用を続けることも大切です。
「お金に働いてもらう」という点においても、資産運用は重要な方法でしょう。NISAにもiDeCoにも年間上限額が設けられているので、少しでも早く口座を開設し、投資を始めることも検討の余地はあるかもしれません。
ただし、生活防衛資金がまともに貯まっていない状況での資産形成は、日常生活に影響を及ぼす可能性があるので、その場合は慎重に検討しましょう。
対策3:資産分散でリスク管理の強化
税制の変化によって投資環境が不安定になることも予想されるため、変化に応じてリスク分散ができるように資産運用をすることも大切です。
想定されるのは、資産収入と勤労収入の割合を変えることです。サイドFIREの定義上、勤労収入を抑えることも大切ですが、背に腹は代えられない状況になる可能性も考えられます。もしものためにも、副業や不労収入で、収入源を増やす行動を今のうちから始めておきたいですね。
まとめ:そのときの情勢にあわせて臨機応変に対応しよう!
この記事では、金融所得課税の基本的な仕組みや、対象となる所得の種類、さらに石破茂氏が金融所得課税の強化を発言した背景をわかりやすく解説しました。
最後に、石破茂氏が金融所得課税の強化を発言した背景について、おさらいしましょう。
- 背景1:経済格差の是正を目指すため
- 背景2:財政の健全化を図るため
- 背景3:社会的公平を考慮するため
どのようなタイミングで金融所得課税が強化されるかわかりません。絶対的な正解がないのが資産形成なので、あなたの状況と照らし合わせて、臨機応変に対処していくことが大切です。
情勢にあわせて資産収入と労働収入のバランスを見直すなどをして、適切な資産形成の方法を考えていきましょう!
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