私は、調停裁判で離婚して、シングルマザーになりました。しかし、調停裁判での離婚は全体の7.5%と言われており、まだまだ少数派です。実態についてわからず、協議離婚(話し合いで離婚)して後悔するかもしれません。
そこで本記事では、私の体験談をもとに、調停離婚の種類と一般的な流れ、私が経験した実際の流れについて紹介します。
本記事を通して、自分の人生を切り拓く手段のひとつとして、調停離婚を頭の隅に入れていただければ幸いです。
- これから離婚をしようと思っている
- パートナーとの話し合いが成立しなくて困っている
- パートナーのDVやモラハラが激しくて精神的に疲れている
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調停裁判とは?

調停裁判は、家庭内の問題を裁判所の関与のもとで解決を図るための手続きです。
調停裁判に移るときは、だいたいの場合、当事者間での話し合いができないか、公的な場での話し合いが必要かのどちらかの場合です。離婚のような個人間でのトラブルの場合は、前者の場合が多いです。
離婚やそれにまつわる調停裁判は意外と種類があるのですが、私の場合は、夫婦関係調整調停(いわゆる離婚調停)、婚姻費用の分担請求調停、子の監護者の指定調停の3つを同時進行で進めました。
それぞれの調停裁判の概要は以下のとおりです。
その1:夫婦関係調整調停(離婚調停)
調停裁判は、夫婦関係の破綻を前提に、財産分与、親権、養育費などについて話し合う場です。離婚を希望する一方が申し立てることで開始され、互いの意見を調整しながら合意を目指します。
その2:婚姻費用の分担請求調停
婚姻費用の分担請求調停は、夫婦が別居している間に発生する生活費を、婚姻費用という名称で収入の多い方が少ない方へ支払うことです。別居していても夫婦であることに変わりはないから、収入が少ない方も同居時と同じ生活レベルで生活できるようにするためにこの制度があります。
ただし、具体的な金額は前年度の厳正徴収票に記載された年収と「婚姻費用算定表」を照らし合わせ、決定されることが多いです。
その3:子の監護者の指定調停
子の監護者の指定調停は、離婚後の子供の養育環境を夫と妻のどちらが整えていくのか(監護者になるのか)を決定する調停です。
親権には、監護権と養育権の2種類があります。監護権は子供の福祉が最優先され、夫と妻双方の事情を考慮して決定するとされています。ただ、実際にこの調停をしてみると、監護権を取得した方が養育権を取得、親権者になる確率が高い印象があります。
なお、離婚や離婚にまつわる調停裁判には、以下のようなものもあります。詳しくは裁判所のホームページにて確認してくださいね!
名称 | 内容 |
---|---|
養育費請求調停 | 離婚後の養育費について話し合う手続き |
面会交流調停 | 離婚後の子供との面会や交流について話し合う手続き |
親権者変更調停 | 離婚後に、親権者の変更について話し合う手続き |
子の引き渡し調停 | 親権者でない親が子供を連れ去った場合など、親権者に対する子供の引き渡しについて話し合う手続き |
親子関係不存在確認調停 | 婚姻中や離婚後一定期間内に生まれた子について、夫が自分の子ではないことを確認するための手続き |
嫡出否認調停 | 婚姻中や離婚後一定期間内に生まれた子について、夫が自分の子ではないことを確認するための手続き |
認知調停 | 父親が認知しないため、子が父に対して認知を求めるための手続き |
離縁調停 | 離縁について話し合うための手続き |
調停裁判の申請から閉廷までの流れ

調停裁判の申請から閉廷までの流れは以下のとおりです。
まずは、調停裁判の申立書(申請書類)を窓口または郵送で家庭裁判所に提出します。
申立書の一式は家庭裁判所で取得できます。直接取りに行って自分で提出してもいいし、弁護士に依頼する場合は、弁護士に作成から提出までを一任することもできます。
申立書を提出してから数ヶ月以内に、裁判所から調停期日の決定通知が郵送で届きます。日時と集合場所が決められているので、時間厳守で現地へ行きます。
調停委員(仲裁者)と話し合いをして、自分と相手の主張をすり合わせていきます。
所要時間は1回あたり約2時間です。他の案件もあるので、よほどのことがない限り延長はありません。次回の期日を決めて終了です。
STEP3「調停委員との話し合い」を何回か実施し、調停成立または不成立が確定します。合意が得られない場合は、裁判官が結論を出す「審判」に移行されます。
離婚が不成立の場合は、訴訟に移行します。
合意内容を記録した調停調書(書類)が作成され、完成次第、自宅宛てに郵送されます。届いたら、内容に間違いがないかを確認して保管しておきます。
相手が調停裁判での決定事項を守りそうにない場合は、「公正証書」も作成しましょう。特に、近年では養育費が滞納される場合が多いので、そうさせないためにも一歩踏み込んだ対策が必要です。
調停裁判で離婚すると決めて実行したことと経緯

私が調停裁判で離婚すると決めて実行したことを時系列で紹介します。
調停裁判は、①婚姻費用、②監護権、③離婚調停の順番で閉廷し、申し立てをしてから離婚成立までは8ヶ月かかりました。
その1:弁護士の選定・依頼をする
まずは、弁護士を探すことから始めました。
調停裁判では弁護士を立てる必要はないのですが、絶対にゆずれない親権の獲得も必要だったので、念には念を入れて弁護士に依頼することにしました。
弁護士に依頼する場合、弁護士の交通費も経費に含まれるので、調停裁判が実施される家庭裁判所の近くにある弁護士事務所の中から、良さそうな弁護士を選びました。私の場合は2人に絞り、それぞれの方の無料相談を受けて依頼しました。
弁護士に依頼しないとしても、弁護士相談だけは受けておくのがおすすめです。相手と争うのに、丸腰で臨むのは無鉄砲すぎます。金銭的な問題がある場合は「法テラス」へ行くと、無料で弁護士相談を受けられる場合もあります。
その2:離婚調停・婚姻費用の分担請求調停を提出する
次に、弁護士経由で「離婚調停」と「婚姻費用の分担請求調停」を提出しました。
このとき、相手とは別居中だったので、自宅を特定されないように、相手には住所非開示の設定をしました。相手に知られたくない情報まで開示する必要はないので、相手に開示する情報は必要最小限にとどめて問題ありません。
書き方については、インターネットでも家庭裁判所の窓口でも教えてもらえるので、不安な場合には一度相談してみると安心です。
その3:子の監護者の指定調停の主張書面を作成する
相手から「子の監護者の指定調停」が出され、主張書面(私の言い分)をまとめたものを作成しました。
正直、私も依頼した弁護士も想定外の出来事でした。私は、家にほとんどいなくて家事育児をまともにしてないのにと思いましたし、弁護士も「今の状況で監護権を取れるわけないのに」との反応。とはいえ、調停は開かれるので対処せざるを得ませんでした。
相手の主張書面では、一方的に私の人格を否定する言葉や私を貶める内容ばかりでした。正直、精神的なダメージは受けたのですが、一方で感情的な文章だったので「ぐうの音」も出ないくらいに客観的な事実を積み上げようと決意しました。
その4:婚姻費用の支払額の決定・未払金を相殺する
3回目の調停で、婚姻費用の支払額が決定し、あわせて同居していた賃貸物件を退去するまでに相手が負担していたお金の相殺が完了しました。
私の場合、「相手退去→私退去→賃貸終了」の流れを踏んだので、同居していた物件にかかった費用を相手が負担していました。結果、相手が支払うべき婚姻費用から私が支払う賃貸物件の費用を差し引いた金額を、相手が支払うことになりました。
婚姻費用は、調停の申立書を提出した月から発生するので、できるだけ早く提出するのがおすすめです。離婚が成立するまで支払い続けなければいけないので、婚姻費用を支払う側(相手側)には金銭的なダメージは大きいです。
その5:審判手続きで子の監護者の指定を受ける
家庭裁判所調査官による面談・調査を経て、審判で私が子供の監護者の指定を受けました。
相手は「監護権は自分にある」と主張したのですが、本人が主体的に監護するとは思えない内容だったので、そもそもでお話になりません。「育児は女性がするもの」という概念がまだ根強いのもありますが、私の積み上げてきたことが肯定されたと感じた瞬間でした。
その6:調停裁判が閉廷する
子の監護者が決定したことを受け、相手が私の決めた条件で離婚すると言い、同じ日にすべての調停裁判が閉廷しました。
結果的に、条件は
- 離婚する
- 財産分与はなし
- 養育費をもらう
- 面会交流は最低限にする(結果的にLINE電話で30分)
で決まりました。面会交流はしたくなかったですが、対面せずに済んだだけマシだと思うようにしています。
離婚調停を通して学んだ3つの教訓

調停裁判と仕事・育児の両立は大変でしたが、今となっては子供と楽しい日々を過ごすためには必要な期間だったと思っています。
今回の調停裁判を通して学んだことは以下の通りです。
教訓1:相手は変わらない、むしろ悪化する
まずは、相手の考え方や態度は変わらないし、変わったとしても本性が出るので改心はない、ということです。
私の場合、調停裁判を通して、相手のモラハラが露呈しました。自分が優位に立つためには手段を選ばないというスタンスで、私を貶めることしか考えていなかったようです。
期日を重ねるたびに、この離婚は正当防衛だと感じずにはいられませんでした。
教訓2:自分を大切にしてくれる人を大切にする
調停中には、弁護士をはじめ、近所の親しい方、保育園の先生、友人が支えになってくれました。話を聞いてくれたり協力をしてくれたりしてくださったおかげで、自力で仕事と育児を両立できたように思います。
子供も、子供なりに状況を理解しているようで、毎日を楽しく過ごそうと努めている様子には、申し訳なさもありつつ力強さも見られました。このような姿を見るだけでも、励まされました。
教訓3:「今」できることを全力で取り組む
調停裁判は長期化しやすく、私自身も8ヶ月かかりました。精神的な負担はありましたが、それを乗り越えるためにも「今」できることをひとつずつ実行することが重要です。
私の場合は、いただいている仕事をしっかりと取り組むこと、子育てに向き合うことでした。特に、離婚によって子供を巻き込んでしまった負い目もあるので、父親がいなくても楽しい生活だと思ってもらうことが大切だと考えていました。
離婚調停Q&A

最後に、離婚調停でのイメージがつきづらいかもしれないので、補足としてQ&A形式でまとめておきます。
Q. 調停裁判で弁護士を依頼しなければいけないのですか?
調停裁判では、弁護士の依頼は任意です。
後述のとおり、まとまった費用が必要になりますし、内容によっては自力でどうにかなる場合もあります。弁護士事務所では初回無料相談を受け付けているところが多いので、弁護士相談をしてから検討するのもアリでしょう。
Q. 調停離婚で弁護士を依頼する場合の費用はどのくらいですか?
私の場合、調停裁判を3つ同時進行して100万円はかかりました。
弁護士にも価格規定があるようなのですが、多少は前後するかもしれません。そのため、弁護士を選定する際には良さそうな弁護士を数名選定して、初回無料相談を受けて費用の確認が必要です。
Q. 離婚調停で大切だと思うことはありますか?
別記事でも紹介したとおり、感情的にならずに、戦略を立てて臨むことが大切です。
離婚は人生を激変させるものなので、感情的になる場面が多いです。でも、感情的になるほど誤った判断をすることが多いので、調停期日までに「自分なりの勝利」のためにできることをやっておくことがおすすめです。
Q. 調停離婚でビックリしたことはありますか?
相手の主張書面に内容がなかったことです。
特に、子供の監護者の指定調停では教育方針についての記述が必須なのですが、「親権者になりたい!」と主張するわりにその内容が2行でしか記述がありませんでした。弁護士によると、そういう人はザラにいるようですが、文面だけでも本気度が垣間見えるのだと気づきがありました。
まとめ:調停裁判を自分を変えるチャンスにしよう!

本記事では、私の体験談をもとに、調停離婚の種類と一般的な流れ、私が経験した実際の流れについて紹介しました。
調停裁判は大きな負担を伴いますが、人生を見直す機会にもなります。過去にとらわれず、未来を見据えた行動を取ることで、新たな人生の再スタートを切ることができます。
自分自身を大切にし、新しい一歩を踏み出しましょう。
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