先日、オンライン事務代行の仕事を始めて、はじめて取引先の報酬未払いトラブルに遭いました。元々、取引期間が長くなるにつれて支払遅滞ばかりをしていたので、「やっぱりな…」という気持ちになりました。
そこでこの記事では、報酬未払いトラブルの解決法と回避法をご紹介します。
私の体験談と交えて紹介しますので、皆様の参考になりましたら嬉しいです。
- フリーランスとして仕事を始めた
- 取引先と口約束で決めていることがある
- 取引先の報酬未払いや支払滞納が気になっている
みなとのオンライン事務代行では、副業、個人事業主、小規模事業者様のためのオンラインサポートを提供しています。一般事務からSNS運用、経理業務まで内勤業務全般を請け負うことができます。
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フリーランスが報酬未払いに遭ったときの解決法
では、取引先の報酬未払いに遭ったときに、どのような対応をすれば良いでしょうか?
具体的には以下の方法が挙げられます。
- 方法1:請求書の支払期限と支払金額を確認する
- 方法2:取引先に連絡をして入金状況を確認する
- 方法3:取引先と直接話し合う場を設けて解決する
- 方法4:取引先宛に内容証明郵便を送る
- 方法5:裁判所に依頼して取引先に支払督促を送る
- 方法6:少額訴訟を提起する
方法1:請求書の支払期限と支払金額を確認する
まずは、請求書で支払期限と支払金額を確認します。
支払期限になっていないのに督促をかけるのも問題となります。自分の対応に不足がないことを確認するのは重要です。
請求書を発行していない場合は、チャットやメールの履歴を確認して、支払の取り決めをしているか見直しましょう。
支払の根拠が見つからない場合は、未払い請求ができない可能性もあります。その場合は税理士や弁護士に相談してみてくださいね。
方法2:取引先に連絡をして入金状況を確認する
取引先と連絡が取れる場合は、取引先に連絡をして、入金状況を確認します。取引先が意図的にスルーをする場合もあるので、確認の連絡は取引先が必ず確認をするツールで対応しましょう。
方法3:取引先と直接話し合う場を設けて解決する
取引先と連絡が取れる場合は、取引先と直接話し合う場を設けて解決するのが一般的です。公平性を保つために、取引先や自分とは関係のない第三者を交えることも一案です。
取引先と連絡がつかなかったり、すでに支払でもめていたりする場合は、別の方法を検討する必要があります。
方法4:取引先宛に内容証明郵便を送る
話し合いで解決できないと判断した場合には、「内容証明郵便」を送ります。
内容証明は、文書を差し出した日付、差出人の住所・氏名、宛先の住所・氏名、手紙の記載内容を郵便局が証明してくれる郵便です。
内容証明に法的効力はありません。しかし、こちらが相手方に対して「支払の催促をした」という証拠を残せます。これで解決しない場合は法的措置を取ることとなり、その前段階で証拠として文書を送る必要があります。
方法5:裁判所に依頼して取引先に支払督促を送る
当事者同士での解決が難しいと判断した場合には、裁判所へ「支払督促」の送付を依頼します。
支払督促は、未払金を回収するため、申し立てに基づいて簡易裁判所書記官が支払いを求める裁判手続きです。裁判所へ出向く必要はないです。
取引先が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議申し立てをしなければ「仮執行宣言」が発付され、強制執行の申し立てをおこなえるようになるのが一般的です。
方法6:少額訴訟を提起する
未払い報酬額が60万円以下の場合は、簡易裁判所に「少額訴訟」をする方法もあります。
少額訴訟は、原則1回で審理を終える手続きです。即時解決を目指すため、証拠書類や証人は、審理の日にその場で調べることができるものに限られます。
体験談から考える報酬未払いトラブルの回避法
私の取引先の場合、
- 元から支払遅滞の傾向があった
- メールで連絡をしても基本的に返信はない
- 業務委託契約書の締結をしていなかった
- 取引先の所在地や連絡先がわからない
- 仕事を紹介してくれた共通の知り合いがいる
という状況でした。そこで、取引先が法人だったので「登記情報提供サービス」を利用して所在地を確認、内容証明を送っても受け取り拒否。共通の知り合いに連絡して伝言をしてもらってようやく支払っていただくことができました。
支払完了までに2ヶ月かかり、労力もコストもかかっているので、報酬未払いトラブルのないお取引の大切さを痛感しています。この経験から、今後、同じことを繰り返さないための回避方法は以下のとおりです。
- 方法1:業務委託契約書を締結する
- 方法2:取引先を選ぶという視点を持つ
- 方法3:適切なコミュニケーションを取る
方法1:業務委託契約書を締結する
まずは、業務委託契約書を締結することです。
業務委託契約書は、仕事の依頼者と受注者が結ぶ契約書です。仕事内容、報酬、支払条件、契約期間などを明確にするので、万が一トラブルが起きた場合でも、すみやかに適切な対応ができます。
取引先と業務委託契約書の締結をしたことがなくても、あらかじめ業務委託契約書のテンプレートを作っておくのがおすすめです。インターネット検索で出てくるテンプレートを使うのではなく、弁護士に相談をして自分の業務に沿った内容のテンプレートを作成しておきましょう!
方法2:取引先を選ぶという視点を持つ
事業を始めたばかりなどで売上が少ないときほど、仕事依頼をバンバン受けたくなるものです。しかし、そういうときほど目先の売上にとらわれて、トラブルを起こしかねない取引先と取引をしがちです。
個人的にもあまり好きな言葉ではないですが、今回の経験で「取引先を選ぶ」のも仕事のうちだと学びました。
本来、仕事は依頼者と受注者がウィンウィンの関係を築けるものです。どちらか一方が我慢する状況は、信頼関係が構築できなくなっていることのサイン。お互いが気持ちよくお取引できることで、おのずと売上アップにもつながるのではないでしょうか。
方法3:適切なコミュニケーションを取る
仕事をするうえで「コミュニケーション」は必須です。いわゆる「報告・連絡・相談(ほうれんそう)」はもちろん、取引先の業界、今後の事業展望にあわせた情報提供もコミュニケーションの一種と言えるでしょう。
コミュニケーションは、信頼関係を築くためのツールです。「これくらいすれば大丈夫だろう」ではなく、「このくらいの情報量なら十分な判断ができるだろう」と、取引先の状況を推測しながら業務に取り組んでいきたいものです。
自力での報酬未払いトラブル解決ができないときの対処法
自分なりに回避法を実践しても、報酬未払いトラブルは起こることがあります。自力で報酬未払いトラブルの解決ができない場合は、弁護士に相談して解決法を一緒に考えていきましょう。
具体的な問い合わせ先を載せますので、トラブルが起きたときに問い合わせてみてください。
- フリーランス・トラブル110番
- 法テラス
- 弁護士相談
- 任意の弁護士に依頼する
対面での相談が難しい場合は、「coconala 法律相談」や「弁護士ドットコム」でオンライン相談をしてから、その後の対応を考えるのもひとつの方法です。
フリーランスの報酬未払いトラブルは増えている
近年、フリーランスに対する報酬未払いトラブルが増えているのをご存じでしょうか?
厚生労働省の資料「フリーランス・トラブル110番の相談実績について」によれば、2021年2月~2022年8月の相談7643件のうち、32.1%、約5割の相談内容が報酬の支払いの相談という結果でした。
フリーランスの報酬未払いが発生する背景
では、なぜフリーランスの報酬未払いが発生するのでしょうか?
考えられる理由は以下のとおりです。
- 理由1:事務処理のミス
- 理由2:取引先の金銭状況の悪化
- 理由3:フリーランスや副業で働く人の増加
- 理由4:SNSなどでのカジュアルな仕事依頼
理由1:事務処理のミス
まずは、請求書の処理ミスです。具体的には、支払担当者による支払の失念、請求書の紛失、別の取引先口座へ誤って入金などが挙げられます。
取引先が個人事業主であっても、小規模事業者でも人為的ミスは起こり得るでしょう。ただし、信頼関係が築けていなかったり、未払い以外のトラブルが同時期に起きている場合には問題となります。
理由2:取引先の金銭状況の悪化
取引先の金銭状況が悪化も原因として挙げられます。
取引先が自転車操業のような状態になっていると、大口の取引先や重要な取引先の支払いを優先的に対応し、フリーランスをはじめ、少額での取引先に対する支払いが後回しにされることが少なくありません。
理由3:フリーランスや副業で働く人の増加
2018年に副業が解禁され、フリーランスや副業で働く人の増加に比例して、トラブルも増加しています。
ランサーズが発表した『新・フリーランス実態調査 2021-2022版』によれば、フリーランス人口は1577万人。2015年は640万人、2020年は1062万人だったため、コロナ禍をきっかけにフリーランスが増えたと言える状況です。
理由4:SNSなどでのカジュアルな仕事依頼
Twitter、Instagram、YouTubeなどのSNSで仕事を引き受けると、気軽なやり取りで取引が進む場合があります。
このような状況では、フリーランスが業務を請け負う際に締結する業務委託契約書がありません。就労条件、報酬金額、支払期日があいまいになってしまい、トラブルに発展しやすいのです。
まとめ:報酬未払いトラブル回避法を学んでおこう!
この記事では、報酬未払いトラブルの解決法と回避法について、私の体験談を交えて紹介しました。
最後に報酬未払いトラブルの回避法をおさらいしましょう。
- 方法1:業務委託契約書を締結する
- 方法2:取引先を選ぶという視点を持つ
- 方法3:適切なコミュニケーションを取る
報酬未払いトラブルに遭う可能性は誰にでもあります。大切なことは、回避法を実践してトラブルを引き寄せないこと、トラブルに遭ったときにすみやかに適切な対応をすることです。
私自身、今回の経験で取引先との関係性を考えるきっかけになりました。トラブルを悲観的ではなく学びととらえて、自分の身は自分で守れるように対策していくことも大切ではないでしょうか。
みなとのオンライン事務代行がおすすめです
個人事業主や一人社長として仕事をされている方には、みなとのオンライン事務代行がおすすめです。
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